「働き方改革」とは何なのか!?2
昨日の続きです。
[昨日の記事]
「働き方改革」とは何なのか? - 【仕事と人生を楽しもう】1日3分のライフハック知恵袋
働き方改革が動き出したホントの訳
とある政府の関係筋からの情報ですが、
働き方改革の一番の始まりは
「失業率を下げて政権の成果にしよう!」
という政治的な思惑だったと言います。
失業率を下げることは、
「わかりやすい」かつ「支持を集めやすい」課題の一つ。
これを実現していることをアピールしたかったと言います。
確かに働き方改革の基本方針を見てみると
(出典:厚生労働省 労働施策基本方針)
働き方改革の効果の一番上に「労働参加率の向上」が来ています。
このあたりでなんとなく意図を感じてしまうのは私だけでしょうか。。。
その他にも安倍さんが自身の功績に言及するときには必ずと言ってよいほど、
失業率が大きく低下したことをアピールしています。
【失業率の推移】
この図を見ると安倍政権の始まった2013年から失業率の低下と従業者の増加が続いています。
この数字だけ見ると一定の成果が上がっていて、たしかに良い感じがします。
しかし国民の実感として豊かになっているかというと、、、
賃金の伸びはイマイチ
一人ひとりの国民が豊かさを感じるにはやはり給料が増えている実感が伴っているかどうかは大切な要素になります。
しかしその賃金の伸び率はイマイチです。
[賃金上昇率]
(出典:【実質賃金】推移を図解|ニッポンの数字)
青が物価を考慮した実質賃金でオレンジが物価と考慮しない名目賃金で、
それぞれの伸び率をグラフにしています。
毎年伸びているかというとそこまで伸びてないです。
残念ながらこの20年以上、日本は賃金が伸び悩んでおり国際的に比較してもその実態は深刻です。
(出典:日本の実質賃金低迷の背景 山田 久 ㈱日本総合研究所調査部)
国民一人ひとりが豊かさを感じられているか、というと答えはNOなのかなと思います。
失業率の低下は本当か?
さて失業率の低下についても、
結果的には女性の非正規社員の増加がその数字を押し上げている側面があります。
ただパートの女性が数字を押し上げているものの
全体として正社員も増えている傾向にあるのでその点では一定の評価はできそうです。
働き方改革で労働時間が減少した
↓
処理しきれない分の仕事を安い労働力でカバーしている
↓
結果として失業率が下がった
という論調も目にします。確かに非正規社員の伸びは大きいですが、
正社員も伸びている以上、上記の論調が100%正しいとは言い切れないと思います。
しかし2018年の女性の非正規社員の前年からの伸びを見ると「62万人」と圧倒的に高い数値が出ています。働き方改革の法案が成立して企業が対応に動き出したのはちょうど昨年2018年から。
政策の始動に合わせて非正規社員の雇用が増えたということは、
仕事を安い労働力でカバーし始める動きが本格化してきているように見えます。
順当に考えれば今後のこの動きは加速していきそうな予感がしますね。
明日は働き方改革の具体的な中身について整理していきたいと思います。