【仕事と人生を楽しもう】1日3分のライフハック知恵袋

仕事が少しでも楽しくなるコツを残せたらと思いブログを始めました!労働関連の法律、働くこと全般、社労士試験、ライフハックなどについて書いています!

なぜ定時帰りができないのか?4

昨日の続きです。

「残業学」の著書を書かれた立教大学教授中原淳氏のインタビューを取り上げます。

www.itmedia.co.jp

 

残業の原因は「個人」ではない!?

残業に関しては働き方、職場、上司、組織といった問題がありますが、従来の多くの言説では「仕事のできない人がいるから悪い」「仕事の効率が悪い」といった個人の問題になりやすかったのです。「個人が勇気を出して帰ればいい」といったものです。

 しかし、研究の結果明らかになったのは、個人の要因が(残業の発生に)関係あることはほとんどない、ということです。上司や組織の雰囲気、給与などが重要であって、働いている個人の要因は乏しい。だから、「早く帰れ」「お前(個々の従業員)が悪い」と言ってもダメでしょう。

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残業は優秀な従業員に「集中」する(中原教授とパーソル総合研究所調べ)

残業の要因は個人ではなく組織に問題があると中原氏は言います。

上司は仕事ができる人に仕事を任せる、そして手に負えない業務量を任された優秀な社員が残業を強いられているという側面が強いそうです。個人的にはこの部分はこの記事とグラフだけでは納得がいかないので本書の到着を待つこととします。

 

残業してしまう個人の理由は「残業代」と「居場所の確保」

生活給としての残業代を頼りにしていることは、労働者が組織の中で声を大にして言えないものです。(調査で明らかになった残業代の平均額である)3.91万円はお父さんの月の小遣いくらいの金額です。そのために働いているとは言えないので、仕事のためだとみんな言っているのでしょう。

家事や育児をしたくないから残業するという男性は結構な確率でいるでしょう。

(中略)

例えば家庭では夫婦の役割分業が確立してしまい、夫抜きでも家事が成り立つようになってしまっている。それが問題なのです。残業問題は家庭の問題でもあります。子育てに父親の参加が必要と言うことは散々言われてきましたが、働き方の問題を改善しないとうまくはいかないでしょう。(中略)

長時間労働をすればするほど、夫婦や親子の会話の時間は無くなっていきます。家庭でも仕事でもない地縁、趣味などの縁も無くなる。孤独になる。だからこそ、中高年男性は(残業減らしに)頑強に抵抗するのかもしれません。ある意味犠牲者なのでしょう。

 

個人が残業をしてしまう理由は「残業代を稼ぎたい」と「早く帰っても居場所がない」の二つの要因があると中原氏は言います。

 

残業代を稼ぎたいという気持ちは理解できます。現に私も前職は残業代がフルにつく環境だったので、それが残業をする動機付けにもなっていました。残業代で今月はいくらになったかな?と少し楽しみにさえなっていました。

しかし今の社労士法人は逆に固定残業代(みなし残業代)を支給する形態をとっているので、正直残業してもしなくても給与は大きく変わりません。ですので「どうせ給与が変わらないなら残業せずに早く帰ろう」という感覚になりました。

 

そして家庭での居場所がない、という点に関しても何となく納得できます。「仕事だから」というもっともらしい理由で、家庭での居場所がない自分への正当化をしているのだと思います。ひとまず自分はこうはならないようにしようと、と強く思いました!

 

これからの働き方で大事になるポイント

外部環境が今までと違ってきているのが大きいです。経営と言う観点からすると、もはや時間当たりいくら頑張って働いても利益は出ません。アイデアが重要です。今までは物は作れば売れるという時代もありましたが、これからは何を作りどう売るかを考えなくてはいけない。

つまり、思考の質が重要になります。それは時間に比例しない。残業しても思考の質は高まらないのです。そういった思考が求められる経営環境になれば、働き方も変えなくてはいけない。いわば、労働慣行のアンインストールと言ってもいい問題なのです。

中原氏は思考の質が重要になるといいます。昔はモノさえ作っていれば売れました。しかし今の時代作った製品はすぐに真似されて売れなくなります。逆に何か光るもの、アイデアが求められる時代に突入してきています。良いアイデアはリラックスしているときや朝に出やすいといいます。逆に残業をしているときにクリエイティブな発想ができるか、というとなかなか難しい。残業はすればするほど生産性がダウンする、という研究結果もあります。これからの時代は残業することはリスクでしかない、という考え方が浸透していくからもしれませんね。

 

早く本書が読みたくなってきました。。。

明日もこの問題について論じていきたいと思います。