【仕事と人生を楽しもう】1日3分のライフハック知恵袋

仕事が少しでも楽しくなるコツを残せたらと思いブログを始めました!労働関連の法律、働くこと全般、社労士試験、ライフハックなどについて書いています!

なぜ定時帰りができないのか?3

昨日の続きです。

残業をしてしまう理由をさまざま調べていったところ面白い本に出会いました。

なぜ定時帰りができないのか?を客観的なデータで示す強力な材料になるかもしれません!

 

それがこちらの本

「残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか? (光文社新書)」です!

 

 

 

パーソル総合研究所×立教大学中原淳の共同研究「希望の残業学」プロジェクトを書籍化したものが本書です。

紹介文を以下に引用します。

高齢化社会を迎え、あらゆる仕組みをアップデートする必要に迫られている日本。女性やシニア、外国人をはじめとした多様な人々の力が鍵となる中、それを拒む最大の障壁が、日本独特の働き方「残業」です。
政府も企業も「働き方改革」を叫ぶ今、本当に必要なのはそれぞれの「持論」ではなく、客観的なデータを基にした「ガチ」な対話。
一体なぜ、日本人は長時間労働をしているのか? 歴史、習慣、システム、働く人の思い――2万人を超える調査データを分析し、あらゆる角度から徹底的に残業の実態を解明。仕事と人生の「希望」は、ここから始まります。 

 著者の一人である中原淳氏は「長時間ではなく長期間働ける環境を作ることが日本の喫緊の課題だ」といいます。

本書を読んだ感想や考察は後日に譲りますが、

出版に際して中原淳氏がインタビューに答えていますので要約してご紹介します。

www.itmedia.co.jp

なぜ残業問題を調べようと思ったか?

残業問題には積極的に解決すべき2つの理由があります。1つは今後、日本企業が直面する重要な「経営課題」ということです。

 とりわけ今は人手不足の時代で、(採用という)「入り口」を増やすか、離職を防止するか、あるいは生産性を上げるしかない。生産性はAI(人工知能)化や機械化で上がりますが、本質的な解決になるとは思っていません。やはり「入り口」と「出口」だと思います。

 特に入り口にリンクしているのが残業問題です。残業があるから女性は「こんな組織で働けない」ということになる。国は外国人労働者を入れようとしていますが、日本は選ばれる国になっていない。長時間労働の問題は「経営課題」なのです。

 もう1つの理由として、これは(労働者)みんなの問題でもあるのです。今のビジネスマンに「何歳まで働くか」と聞くと、普通は65歳と答えるでしょう。60歳で仕事を終えられるとは思っていない。国は70歳と言っている。健康寿命である限り働かざるを得ない社会になってきている。仕事人生が長期化しているのです。長時間でなく、長期間働けるようにしないと危険です。

 「安心して働ける環境を用意して雇用を確保する」

「長期間働けるような環境を整えるため」

という二つの理由を挙げています。

外国人労働者が日本を選ばない理由は長時間労働にあるのかは疑問ですが、

残業が少ない職場は確かに魅力的で人材は集まりやすいでしょう。

また高齢になれば長時間労働することは容易ではなくなります。そのような高齢化に向けても環境を整えることが大事、という根拠はある程度納得できます。

 

残業学プロジェクトは何を目的としていたか?

1つは科学的アプローチです。現状を徹底的に“見える化”したかったのです。

2つ目は、残業がなぜ起きるのかというメカニズムを調査を通じて明らかにすることです。(働き方改革を)行った後どんないいことがあるのか、やらないとどんな悪いことが起きるか、1つの学問体系にするチャレンジだったのです。

そして3つ目は“How”、打ち手(対策)の部分も書かなくてはいけないと考えました。 

 このプロジェクトを通じて上記の3つをまとめたそうです。

「残業が起こるメカニズム」はまさに定時帰りできない理由そのものです。

本書を早く読みたくなりました。

 

さらに中原淳氏は「私の仕事術」的なマクロ的な努力だけでは残業問題の根本的な解決にならないと言います。

残業対策の話題では大概、「私の仕事術」「プライオリティ―を付けて仕事しよう」といった個人の話か、「会議のやり方」「Googleではこんな事例がある」といった組織の成功体験談が多いです。これらは人事担当者がついつい“コピー&ペースト”して実行したくなるものです。

 でも、会社によって扱っている事業も製品も違うから、コピペできないのが現実です。しっかりとした科学的な立場から抽象度の高い議論をしない限り、「私」や「組織」の成功体験では(実際の職場で)使えない、と思いました。そのためには心理学や経営学社会学など横断的なアプローチが求められると考えたのです。

なるほど。確かに会社によって事情は異なるので、他の会社の成功体験を真似るだけでは解決につながらないかもしれません。結局は個人の心理的な要因や、社会学的な観念のようなものに縛られている側面があると私も感じます。

ただのハウツー本ではないようです。早く読みたくなってきました。

 

こちらの記事にはさらに興味深いデータが示されていました。

明日もこちらの記事についてご紹介したいと思います!!