【仕事と人生を楽しもう】1日3分のライフハック知恵袋

仕事が少しでも楽しくなるコツを残せたらと思いブログを始めました!労働関連の法律、働くこと全般、社労士試験、ライフハックなどについて書いています!

【書評】残業学 明日からどう働くか?どう働いてもらうか?②

昨日の続きです。

「残業学 明日からどう働くか?どう働いてもらうか?」の書評を書かせていただいています。

 

残業が企業にもたらすリスクについて

残業をさせることが企業にとっては4つのリスクを抱えることになると指摘しています。ここの部分は社労士としてそのままお客さんに話せそうな内容だなと思いました。

 

①採用リスク

②人材リスク

イノベーションリスク

コンプライアンスリスク

 

特に④のコンプライアンスリスクについては本書で以下のように指摘しています。

(p47)厚労省によると、2017年度、労基法違反で労働基準監督署が是正勧告を行った企業数は、前年から4割増しの1870社。過去最多となりました。割増賃金の対象労働者は20万5235人で、その是正支払金額も同3.5倍で過去最大の446億円超となりました。これは支払額が1社100万円を上回った企業に限った話ですから、取り締まりが相当厳しくなってきたことがうかがえます。労務管理がしっかり行えない企業は、行政や社会からの制裁を受けるリスクが高まっています。

なかなか渋い結果になっているなと感じました。

ちなみに上記の内容は以下の厚労省の発表をもとに作られているものと思われます。

「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表します」

 (URL:https://www.mhlw.go.jp/content/11202000/000342612.pdf#search='%E5%8A%B4%E5%9F%BA%E7%BD%B2+%E6%98%AF%E6%AD%A3%E5%8B%A7%E5%91%8A+%E5%AE%9F%E7%B8%BE'

【平成 29 年4月から平成 30 年3月までの監督指導結果のポイント】
⑴ 監督指導の実施事業場: 25,676 事業場
このうち、18,061 事業場(全体の 70.3%)で労働基準関係法令違反あり。
⑵ 主な違反内容[(1)のうち、法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]

① 違法な時間外労働があったもの: 11,592 事業場(45.1%)
うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が月 80 時間を超えるもの: 8,592 事業場(74.1%)
うち、月 100 時間を超えるもの: 5,960 事業場(51.4%)
うち、月 150 時間を超えるもの: 1,355 事業場(11.7%)
うち、月 200 時間を超えるもの: 264 事業場( 2.3%)

② 賃金不払残業があったもの: 1,868 事業場( 7.3%)
うち、時間外・休日労働の実績が最も長い労働者の時間数が
月 80 時間を超えるもの: 1,102 事業場(59.0%)

③ 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの: 2,773 事業場(10.8%) 

 「② 賃金不払残業があったもの: 1,868 事業場( 7.3%)」という部分の数字が本書で登場している1870社という数字と思われます。

 

あくまで残業代の支払いに対する是正勧告のみを取り上げた数値なので

その他の是正勧告を含めると労基署が調査に入った会社の約45%は残業に関する何かしらの是正勧告を受けていることになるようです。

残業は企業にとって見過ごせない問題になってきていることが伺いしれます。

 

本書では残業問題に取り組む一番の根拠は「経営」のためだと指摘します。

政権が言っているから、人事業界のブームだから、ではなく企業経営を長期的考えた時に絶対に避けては通れないマストの取り組みだということです。

やはりこの本は人事担当者の方には是非とも読んでいただきたいですね!

 

明日にも続きます。