時間をかければ考えが深まるとは限らない
仕事でもプライベートでも「考える時間がゼロ」になり、
かつ、
その「考えが深いもので誰もが納得できるような質」であったら。
言葉選ばずいえば「最強」ですよね。
この「考える」という行為の質とスピードを高めるメリットについてまとめます。
参考図書:
「 ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」-著:赤羽雄二
時間をかければ考えが深まるとは限らない
「失敗できないしこの問題はじっくり時間をかけて考えよう」
「この場ではすぐに決められないから後で考えよう」
ビジネスでもプライベートでも考えることを後回しにすることはよくあると思います。
考えは時間をかけたほうが質が高まりそう。
なんとなくそんな気がしませんか?
しかし多くの場合でそれは誤りであると赤羽さんは指摘します。
重要な課題だから午後一杯かけようとか、朝まで議論しようといったやり方を好む人が時々いる。議論を尽くそう、という考え方だ。会社によってはそれが標準スタイルだったりする。大企業よりも時間を大切にしなければならないベンチャーでも少なくない。
ところが、そういった会議の生産性が高く、要点を押さえているか、的確な状況把握と意志決定ができ、すぐにアクションにつなげられているかというと、かなりあやしい。もちろん仕事をした気にはなる。徹底的に議論すると充実した一日を過ごしたような気にはなる。たが、それで今の企業に必要な意思決定のスピードをだせるのかというと、はなはだあやしい。
(中略)
幹部が長時間かけ議論した気になるために、ここまでの無駄をすることが正当化できるとは私には思えない。肝心の議論の内容は、時間をかけた割に、いや、むしろ時間をかけた結果、極めてアバウトだったりする。気持ちは高揚しているかもしれないが、内容は別だ。時間をかければ考えが深まるとは限らないのだ。
まず組織においてよくあるのが「会議を開いて満足してしまうパターン」です。
「これだけ時間をかけて議論をしたのだから」と時間をかけた会議にばかり目がいってしまい、
肝心の中身が伴っているか、その後のアクションにつなげられているか。
その気になっているだけで本質的な意思決定が下せているのかが疑問である、
と赤羽さんは指摘しています。
そしてこれは個人の仕事においても同じです。
一人の仕事でも同様だ。特にデスクワークの大半は悩んだり、堂々巡りしたりで時間を浪費する。こうしようか、ああしようか、こう言ったら上司がどういうだろうかと悩みは尽きない。2週間後のクライアントミーティング向けに企画書を作ることになっても、どうしようか悩む。(中略)
私の経験上、ほとんどの方が多かれ少なかれ悩みつつ、手探りで仕事をしている。もやもやを抱えつつ進めている。それを上司や先輩が助けてくれることはあまりない。ダメ出しはするが、考えのプロセスを丁寧に教えてくれ、どうやったらもっとうまく考え、企画できるか教えてくれることはまずないだろう。当然、アウトプットの質が急激に上がるはずもない。
デスクワークやコンサル系の仕事をしている人でなかったとしても、
「あ~この感じ分かる」という感じではないでしょうか?
一人問答をして結果答えが出せずに手探りで仕事をはじめる。
もやもやを抱えたままなのでなかなか前に進まない。
上司や先輩からアドバイスをもらうことはあっても、
考え方や思考のプロセスといったメソッドを教えてくれる人は
そういないでしょう。
以上のような理由から、
時間をかけずに答えを導き出す「ゼロ秒思考」を身につけることが
組織・個人の発展には欠かせないのです。