【シンプルライフ】質素と簡素の違い
皆さんの生活は質素ですか?
それとも簡素ですか?
「質素」と「簡素」
この2つの言葉は日常においては同じような文脈で使われます。
辞書で検索してみても
しっ そ[1] 【質素】
かん そ[1] 【簡素】
(出典:辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書)
とほぼ同義です。
なんなら簡素の中の説明で質素という言葉が使われてしまっているくらい
イコールな意味合いを持っています。
しかしシンプルライフを考える上では
この2つはそれぞれ別の意味を持っていると考えます。
このことについて曹洞宗徳雄山建功寺住職であり、
庭園デザイナーとしても活躍されている枡野俊明さんが
的確な指摘をしていますので引用させていただきます。
「簡素」という言葉と「質素」という言葉があります。似ているように見えますが、まったく別のことです。
「簡素」というのは、無駄なものを削ぎ落としていくということ。何が自分にとってほんとうに必要なのかを見極めるということです。たとえばお茶を飲むことが好きな人であれば、湯呑みにも目が行くでしょう。多少高価なものであっても、気に入った湯呑でお茶を飲むことで心が豊かになります。そういう人は高価な湯呑を買えばいい。そしてそれを大切に使うことです。(中略)これが「簡素な生活」ということなのです。
一方の「質素」というのは、価値の低いものを使うということです。中には湯呑みなどどんなものでもいい。お茶さえ飲めればそれでいい。そう考える人もいるでしょう。そんな人がわざわざ高価な湯呑みを買う必要はありません。こだわりがないのであれば、安価なもので十分に間に合います。自分が価値を求めないものは質素なものでいい。
(出典:限りなくシンプルに、豊かに暮らす、著者: 枡野俊明)
「簡素」とは無駄を削ぎ落として、自分にとって本当に大切なものを残していく生き方。
一方で「質素」とは価値を求めず価値の低いものを使うこと、
質にはこだわらず目的さえ達成できればオッケー、
というあり方のことです。
日本人には「質素」な暮らしこそが美徳、という考え方があります。
価値の高くないものに囲まれて慎ましく生きる。
それも良いのですが生活に充実感を与えるには
「簡素」というこだわりがあると良いと思います。
シンプルライフを楽しむには特にこの「簡素」という感覚が大事です。
欲しい物を何でもすぐに手に入れてしまう人がいますが、
その生き方はちょっともったいない。
なぜなら一つ一つの物に対してこだわれていないからです。
本当に自分にとって必要なものだけを手元に残す、
本当に必要だと思えないものは手放す、
そうして自分が好きなものにだけ囲まれている状態。
これこそがシンプルライフの醍醐味であり
毎日に充実感を与えてくれます。
シンプルライフ=質素
ではなく
シンプルライフ=簡素
みなさんも本当に好きなもの、価値があるものにだけ囲まれる
簡素な暮らし(シンプルライフ)を目指してみてください。
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